コンサルタントのPTA改革(17):チャートでわかる!委員選びをスッキリ片付けちゃう方法

これまでの投稿は、文字ベースで、ひょっとすると分かりにくいところもあったかと思いましたので、もっと図でカンタン・気軽に説明する『チャートでわかる!』シリーズを作ってみることにしました。
 
チャートでわかる!シリーズの第一回目は、委員選びについて。これ、毎年のことですが、なんとかしたいですよね。

大丈夫です、なんとかなります。11月からでも、やる気になればまだ間に合います。

ポイントは大きく2つです。

 
 

1. 委員数から「クラス毎」の前提を外してみよう

 
 
そもそも、選ばないといけない「委員の数」を減らすことから考えてみましょう。

各クラスから必ず1人以上選ばないといけない、と思いこんでいませんか? それはきっと古くからの慣習です。

 
毎年の委員選びのとき、おそらくクラス別懇談会で各委員をやってくれる人を募るやり方が多いと思いますが、低学年より高学年のほうがなかなか決まりませんよね。それはそうです、高学年になるほど、過去に一度二度委員をやった経験がある人が増えるだけでなく、そもそも懇談会に出ると委員選びにもかかわらないといけないということをわかってきて、懇談会自体に出なくなるからです。
 
そんな状況を逆手にとって、

最初から委員定数を低学年のほうが多いようにする、委員数の「傾斜配分」をすればいいのです。

例として下のチャートを見てみましょう。
 
PTAChart_0001
 
左側のビフォーは、よくあるPTA。3つの委員会、学年毎に1組から3組の3クラスがあるとして、よくあるのは各クラスから1名ずつ選定するというやり方です。
これだと例えば、「1組にやりたい人が2人いて、2組が0人のとき、合計は同じ数だからOK」というわけにいきません。そもそも同時に懇親会で委員選定をやっているので、どこの学年・クラスで何の委員が多いか少ないか、なんてわからないんです。わからないまま、新任の担任の先生が無言の保護者と対峙し、我慢比べし続ける、という無意味な時間が過ぎていくのであります。ホント、硬直的なやり方ですよね。
 
右側のアフターは、クラス毎という前提を外し、「学年毎」という新たな考え方を入れたPTA。1名×3クラスで3名、ではなく、1学年まるっとで3名、ということです。だからその3名がクラス毎1名でなくてもOK。同じクラスから出てもOKです。つまり、委員選定も「クラス懇談会」でではなく、「学年懇談会」でまとめてやるということになります。
 
こうすると何がイイかと言うと、保護者の友だち同士で、◯◯委員をやろう、と言うように、最初から知り合いと一緒に委員を引き受けることができます。これは引き受ける側も孤独にならず心強いですし、何かあったときに助け合うこともできます。
担任の先生も、一人ひとりで対応するのではなく3人で一緒に対応すればいいので、気が楽になります。
つまり、ビフォーに比べて

選定がラクになり、決まりやすくなります。

 
また、各学年から選ばれる委員数も、低学年ほど多く、高学年ほど少なくする、ということもできます。低学年の保護者に門戸を広げて、早い段階から学校やPTAの活動に触れ、理解し、協力してもらえる人を増やしていくことができます。これならビフォーに比べて

低学年の希望者を集められ、決まりやすくなります。

 
さらに、単純にクラス数で総人数を決めるのではなく、トータルで本当に必要な人数が何人なのかを考えて総人数を決められるならば、チャートにあるように全体の人数を抑えることもできます。

総人数が少なくなるということは、決まるまでの時間が短くなるということです。つまり、決まりやすくなります。

 
とはいえ、これでもまだなかなか懇談会で手を挙げる保護者は少ないでしょう。
 
なぜなら、委員として手伝いたいという保護者は多くても、各委員会の「委員長」として会を仕切る立場に立ちたい、という保護者はあまりいないからです。
 
だからどうしても「くじ引き」に頼ってしまう。しかし、保護者も先々に「くじ引き」があるとわかっているから、懇談会のときに、手伝いたいけど手を挙げられない、という状況に陥ってしまうのです。
 
だから、

「くじ引きによる正委員長選び」をやめなければなりません。

それが2つ目のポイントです。
 
 

2. 正委員長決定のくじ引きをなくそう

 
 
くじ引き以外に正委員長を決める方法を考える必要があります。
一つの例として、推薦委員会方式があります。つまり、推薦委員会で、会長や役員を事前に決めるのと同じように、各委員会の正委員長も決めてしまう、というやり方です。
下のチャートをごらんください。
 
PTAChart_0002
 
ビフォーでは、委員決めは新年度にならないと始まらないですが、アフターでは、今年度のうちから推薦委員会が「①正委員長を別途決定」します。これにより新年度の「くじ引き」を回避します。また、アフターでは、委員決めの「②学年別懇談会」を今年度中にやってしまいます(新2年生~新6年生。新1年生は4月にクラス別でやっても決まりやすいです)。そうすることで、今年度のうちに仲良くなった友だち同士を委員になってもらいやすくする、ということです。
 
そうすると、

新年度のクラス別懇談会は、委員決めの作業から解放され、新しいクラス・新しい先生で、新しい学期に向けた前向きな懇談会をスタートすることができるのです!

 
また、正委員長が今年度中にきまっているということは、業務の引継ぎも時間を掛けて実施できるので、正委員長が活動内容の改善を考える時間的余裕も出てきます。
 
もちろん、この仕組みをやることにより、クラス毎に委員が必ずしもいるわけでなくなるので、PTA委員が仕切るクラス会などはできなくなりますが、本当にそれ続ける意味あるの?と考えてみて、参加人数が少ないならばやめてみることも可能でしょう。また、推薦委員会の負荷が増えることにもなりますが、むしろくじ引きで選ばれてしまった人よりも、推薦委員会との対話の中でやることを決めた人のほうが、活動へのモチベーションが高いと思います。
 
ちなみにこの方法で自分の小学校PTAでは、ビフォーでは委員全員が決定するのに数日~数週間を要していましたが、

アフターでは学年別懇談会のその日に委員全員が決まってしまいました。

立候補する方も多く、かなりハードルが下がったように見えます。
 
どのようなやり方をしてもメリット・デメリットは多少出てきますが、全体的なメリットの大きさを考えると、「学年毎で、傾斜配分して委員数を決める」「正委員長を別途決定して我慢比べ・くじ引きをなくす」というやり方は現状を打開する有益な方法だと思います。
 
 

ご参考:PTA会長としての試行錯誤のお話は・・・

会長になって一年目の、我慢比べ・くじ引きをなくす取り組みのお話はこちら → コンサルタントのPTA改革(10):改革の三本の矢! 一本目:ムリ・ムダのない運営
二年目の成果のお話はこちら → コンサルタントのPTA改革(14):翌年度委員選出、一日でスンナリ終了
 
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