区P会長は退任しましたが、講演の依頼があればどこにでも行くことにしています。2019年度初めてのPTA講演は、これまた初めての地である、北関東・群馬の東毛地区です。
東毛地区とは、群馬県南東部一帯を指し、桐生市・太田市・館林市などが含まれるそうです。
今回は、当地区の教育委員会教育事務所の方が、当ブログをご覧になって、連絡をいただき、実現しました。
会場は館林市三ノ丸芸術ホールというところで、立派な会場でした。外観の写真を撮り忘れたのですが、PC接続確認中に撮った内部の写真はこちら。
今回は演台からざっと見て100校200名くらいの方々が、聴講してくださいました。基本的に単位PTAの会長さん・役員さんですが、一部に群馬県内の教育委員会の方々もいらっしゃったようです。珍しく全体的に男性の方が多かったです。
さて、今回のお題は、『次世代に繋げるPTA活動のために』ということで、過去の回とほぼ同様です。
社会の変化や個人情報保護法改正によるPTA運営へのインパクト、先進的な教育委員会(さいたま市、大津市など)の取り組みをお話したのち、PTAがいま抱えている本質的な課題やあるべき姿、日本全国で行われているPTA改革の動きと実例紹介、PTA改革を進める上での会長さんや役員さんの心構え、といった内容をお話ししました。
今回は、ずうっと考えていた、『教育委員会・上位P・学校管理職・単位PTA・地域と保護者の、PTA適正化・活性化に向けた理想形・案』というのを新規にチャートで起こし、最後にご紹介しました。それなりに難易度の高い内容ですので、さらっとしかお話できませんでした。こちらは別途、チャートで分かるシリーズで書きたいなと思っています。
もともと頂戴したのはグループトーク&質疑応答を含めて100分だったのですが、グループトークが(あの会場の状況であっても)盛り上がったのと、質問コーナーで男性会長さんの皆さんにたくさん質問してくださったので、10分押しで終了。なんとか全体の終了時間に収まるように終えることができました。
さて、今回最も驚いたのは、やっぱり個人情報保護法対応のことです。
私はプレゼンの最初に「いきなりクイズです」とか言って、PTAの常識を確認する質問を5つやるのですが(内容は参加者のみぞ知る)、そのうちの一つにこういうのがあります。
「学校とPTAは一体運営。名簿のやり取りや会費の融通は学校と自由にやってもよい。○かXか?」
5つのクイズすべて「X」とした参加者がほとんどだったので、おそらくほぼすべての参加者が、これを「X」と答えた(心の中でそう思った)に違いないのです。
が、その後で、個人情報保護法改正の話をし、
「ご自身のPTAで個人情報保護規約をすでに作っているところはありますか?」
と聞いたところ、手を挙げてくれた参加者がほぼいなかったのです。
個人情報保護法が改正されたのは2017年5月ですから、すでに2年前の話なのですが、まだまだPTAの現場では対応が追いついていません。
追いついていない、というか、そもそも個人情報保護法がPTAにどのように関係しているのか・PTAとしてどういう対応をすべきなのか、を知らされないまま役職についてしまった会長さんや役員さんが多いのではないかなと思います。
普通の保護者にPTAと個人情報保護法の関係を事前に理解しておいてもらうことなんて期待できません。これは、
2年前に法改正があるのに合わせてちゃんと地域内の単位PTAに規約作成などの法対応を周知徹底し、その後の対応についてチェックすることを怠ってきた、上位PTA(日PとかXX連合会とかXX連絡協議会とか)にこそ原因がある
、と私は考えます。きっと、ちゃんとやってない上位PTA、全国にたくさんあると思いますね。
だから現役の皆さんは悪くないですよ、と繰り返し言ってます。でも将来には多少の責任がありますよ。
講演時間の後半に質問コーナーを設けたところ、最初は手が挙がらなかったのですが、一人質問をしてくださると次々質問の手が挙がって、時間オーバーになりそうなくらいいろいろやりとりができてよかったです。任意加入による非加入率の実績、学校の先生の扱い、海外での組織率、非会員の子への贈り物の扱い(いわゆるまんじゅうプロブレム)、などなど。せっかく群馬まで来ましたので、群馬の皆さんと意見交換したいと思ってましたので、盛り上がってよかったです。
今回さらに良かったのは、講演の一番最後にブログからの質問フォームのリンクを掲載しておいたのですが、講演のその日と翌日にお二人の参加者からさっそくご質問をいただけたことです。お二人ともすごくPTA適正化について普段から考えておられることがよく分かる文面でした。
48時間ルールで回答する!と宣言してしまっているので、急ぎ回答させていただきました。きっと、こういう方々が講演で刺激を受けて、それを周りの関係者に伝えていったり具体的な活性化活動をしてくださるだろうと期待しています。
それが最終的に、時間はかかるでしょうけども、東毛地区のPTAのホワイト化につながっていけばいいなと思います。
今回の教育事務所のご担当の方も熱心にご対応いただき、参加者アンケート回答結果も翌日には送っていただけました。満足したという回答が9割ということで、一安心です。
ありがたいことに沢山のコメントをいただきましたが、ごく一部をご紹介したいと思います。
- 会長経験者としてのリアルな話が参考になりました。
- 役員の気持ちに寄り添った講演でとても興味深かった。参考にできるものは勇気を出してやってみたいです。
- 「PTA を変えていいんだ」と勇気をもらった。
- 衝撃的な内容だったが、会長として会員に納得して活動してもらう理由を求めていたので、ここに答えがあると思った。改革を手がけたい。
- いきなりの会長職で一年間様子を見ようと思ったが、本日の講演を受けて何か改善しようと思った。
- 任意加入を知らせ、ハードルを下げて多くの人に参加してもらい、やる気のある人が活動しやすい団体 にできたらよいと思う。
- いろいろな課題をクリアして、子どものためにみんなが活動したくなるような PTA にしたい。
- 任意の参加の表明と参加意識の説明の仕方を詳しく知りたい。
- とても参考になったが、実行するのは難しいと感じた。(改革したい気持ちはあるが・・・)
- 誰かがやってくれると考えていた PTA 問題を、私たちが現役ファーストで変えていくチャンスだということがわかりました。
- 目からうろこ・・・役員だけでなく、たくさんの保護者に聴いて欲しい。
- PTA は義務でなく権利!子どもを通じて、縁あって知り合えた保護者の方々と少しでも楽しい活動を 模索していきたい。
- この研修会が単なる例年行事の一つとして行われたのではなく、各校における PTA の改革を勧めるためのものであったことを信じて改革に努めたいし、学校の先生たちにも周知して欲しい。(学校側と一緒 に改革したいので)
- PTA 活動は「今しかできない権利」という考えが広まるとよい。
- 義務ではなく権利。PTA は現役ファースト!!これを胸に取り組んでいきたい。
- PTA の基本的な考え、スタンスについて考えさせられる素晴らしい研修会だった。
- 火がついた。頑張ります!!
また火をつけてしまいました・・・
みなさん、より良い方向に変えたい、変えていい、と思っているんですよね。
今回グループトークで他校PTAの方々ともお知り合いになれたようですので、ぜひ横の情報交換も進めながら、地域としてPTAの適正化+効率化=活性化を進めていってくださり、東毛地区を「ホワイトPTA地区」にしていってください!
おまけ:冒頭の神社の写真は、講演後に立ち寄った「佐野厄よけ大師」です。
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