(何度かの中国出張・滞在で得た多少の個人的な経験談を共有。皆さんの今後の中国旅行の際のご参考までに。当サイトの主目的とは関係ありません。経験談の目次はこちら。)
無錫でのある週末の土曜、夕食の時間になったが大変な大雨で、外に出たくないという日がありました。そこで、初めてホテルの中華料理のレストランに行くことにしました。
レストランでは、無錫名物の牛肉の甘煮とチャーハンだけで軽く済ませ、デザートにマンゴープリンをオーダーしました。一人では食べきれない量が出てきてしまったが、甘煮とチャーハンはそれぞれ半分くらいは食べ、マンゴープリンだけは完食しました。
ちょっと気になったのが、マンゴープリン。一口食べるたび、舌がちょっとピリピリする。ただ、中国のマンゴープリンは日本とは違うマンゴーを使っているのでちょっと刺激が強いのだろう(と思ってしまった)。ホテル自体は無錫の中でも高い方で五つ星だから、レストランも間違いないだろう(と思ってしまった)。だからヤバイかもと思いつつ完食してしまった。それが事の始まりでした。
翌日の日曜、何かどうも腹が痛い。ただ、こうした痛みは自分にはよくあることなので、「腹痛は熱いもので消毒だ」とばかりに、日曜の夜は焼肉で消毒しました。・・・・消毒したつもりでした。
翌月曜になっても、焼肉での消毒は効かず(当たり前)、まだ腹が痛い。痛いというか、胃袋が握られる感じがします。それが波状攻撃で来るのです。これはさすがにマンゴープリンによる食あたりだな、と観念。胃薬を入手して、飲み始めました。
翌火曜になっても、胃薬が効かない。まだ痛い。あれ、おかしい。やばい病気なんじゃないか。それともあまりの仕事のタフさに内臓がやられてしまったか・・・いやそれは考えたくない、仕事に負けたと思われたくない。でも中国の病院には行きたくない。何されるか分からない。気合で治そう。明日には治ってるはずだ・・・。
翌水曜になっても、胃痛が収まらない。胃袋が握られてる。さすがにネットで調べたが、胃潰瘍かもしれない。そうすると本当に内臓が仕事に負けたかもしれない。つーか仕事が手に付かない。ギブアップ、もう病院行くしかない。
とにかく急いで、近くの病院へ。今回が初めての中国の病院。いったい何をされるのか・・・
まず、受付にて簡単に病状を説明。すると、あれとあれとあれをやれ、みたいなことを言われます(中国語なので分からない)。すると、いきなり会計。会計?そう、「あれとあれとあれ」をやるための費用を、先払いするのです。で、何かシールのようなもの?と診断票をもらいます。
次に、最初の「あれ」、血液検査です。血液検査の窓口で指を出せと言われるので出します。すると向かいの先生が、長さ5センチ位の針を持ち出します。なんかヤバイな、と思った瞬間、
「プスッ!」
指に指しやがりました!注射とはまた違う痛み!先生はそこで出てくる血を取って、採血終了! ご、強引すぎます・・・。
血止めの絆創膏をもらって血止めしてたら、二番目の「あれ」。また別の看護婦さんに呼ばれます。そして小さい個室へ。看護婦さんとふたりきり。何が始まるのか・・・と思ってたら、中国語で何か言われます。
「おしり出して」
・・・そして言われるままに半分出したおしりに、その看護婦さんはおもむろに
「プスッ!」
今度は注射!大臀筋に緊張が走ります。またこれが久々に痛い注射。これがいったい何の注射なのかも分からぬまま、痛みに耐えます。
そして最後の「あれ」。大部屋に通されました。
あぁ、これが噂の「点滴部屋」か・・・。
広い部屋には、横に点滴用の棒がついている椅子が、50脚ほど並べられています。何人かの人が、TVをみながらくつろいでます。まるでどこかの待合室のよう。でもみんな、左手に点滴がついているのです・・・! 話には聞いていましたが、中国の病院ではすぐに点滴を打つ、ということのようです。一説には、人口が多いので日本のよう毎週毎週人が再診で来られても見ていられないから、点滴ですぐ治すんだ、と。だいたい、点滴なんかで治るわけないだろう?
そうこうしているうちに自分用の点滴が運ばれてきました。けっこう大きいのが3つもあります。これを全部打ち終わるまで帰れない、とのこと。だいたい3本で2時間。じっと終わるのを待っていないといけません。そりゃTVも必要だ。そうか、これが中国の「治療」か・・・。
どんなものが打たれているのか、一つ見てみましたが、難しい漢字が多くて読めません。
甲磺酸帕珠沙星氣化・・・
読んで理解したくもなくなりました。
1瓶終了後、2袋続けて点滴。怪しい液体を次から次へと注入され、なんか自分がどんどん中国人化していく感じ・・・。そして3本の点滴が終了したら、帰ってよろしい、と。ようやく解放されました。
結局病名は、ウイルス性の胃腸炎で、やっぱりあのマンゴープリンが原因だった模様。しかし、これが点滴なんかで治るわけないだろ、と思ってました。実際、打ち終わっても胃が痛いし。もうその日は帰って寝ることにしました。明日治っていることを祈りつつ。
で、翌日。
・・・アレ?胃の痛いのがスッキリ!?治ってる!すごいぞ点滴!治るんだ点滴でっ!しかももう再診とかしなくていい、薬も飲まなくていい!中国の病院、素晴らしい、見直しました!
出社して中国の人にこの感動を話したら、
「あー、点滴って強い薬を体に直接打ってるから、だんだん体も慣れてくるし、本当はよくないんだよね。しょうがないけどね。」
「・・・・・・」
うん、体にはやっぱりよくないよね・・・。その後3日くらい、点滴打ってた左手の甲にアザができて、消えなかったもんね・・・。
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