issue + design project という団体による、日本を取り巻く課題と、その解決の取り組みをまとめたもの。
この本で使用している「デザイン」は、次のように定義されている。
- 問題の品質を一挙に捉え、そこに調和と秩序をもたらす行為
- 美と共感で多くの人の心に訴え、行動を喚起し、社会に幸せなムーブメントを起こす行為
日本は課題先進国と言われるが、それに挑戦し解決策-「地域を変えるデザイン」-を実施している地域や団体が多くある。そこにスポットライトを当てて、30の事例を紹介している。実に多くの面白い取り組みが全国で行われていることがわかるし、参考になる。
また、冒頭に日本の課題を20個ピックアップし、実データを使って可視化しているところもとてもいい。そこからどういう課題設定をするかは人によって様々だと思うが、まずは偏見のない科学的データから出発することが重要だ(一部、気になるところがなくもないけど)。
ちなみにピックアップされている課題は、気候変動、地震、エネルギー、コミュニティ、結婚・出産、育児、などだ。民間の小さい努力だけでどうにもならない課題もあるが、自分達で何とか出来る課題とそうでない課題があることを認識し、前者はまず自らが動いて対応し、後者は政治を動かす(選挙などで)という切り分けが大事だと思う。
このサイトでは、まさに課題先進国である日本に住む日本人が、できるだけ多くの人々が、できるときにできることをやることで、その力を集約して課題を解決していくことを応援したいと考えている。この本に上げられている課題認識は、おおいに参考にしたい。
■