コンサルタントのPTA改革(6):保護者向けアンケートの作成

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こちらもお読みください → コンサルタントのPTA改革(18):チャートでわかる!PTA保護者アンケートの作り方
 
会長になってからの半年間、PTAの改革を考えるにあたっての課題設定や施策立案は、主に自分の一保護者としての観察や委員経験のある妻との会話はもちろんですが、前任・現役のPTA役員へのヒアリング、校長先生や教務主任との会話、といった、ある意味PTAの中核メンバーからの情報が中心になっていました。

 

これは、企業の改革プロジェクトで言ったら、近くにいる身内のメンバーから、間接的に現場の状況を聞いて、判断しているという状況です。実際の現場は見ていない、ということになります。PTA役員の声を聞いているので、それほど現場と乖離はしていないと思われますが、実際、どのような意見がどの程度の規模で存在しているのかといった「大きさ」(マグニチュード)が、数字では見えないので、課題の重要性や施策の効果について定量的に推し量ることができません。課題や施策のインパクトを数値化できないプロジェクトは通常のコンサルティングではありえません。PTAの改革も、ぜひ実際の声で数値化してみようと思いました。

 

これまで検討してきた課題や施策への認識が正しいのかどうかを数字で見てみよう、私や役員は「保護者」と漠然と捉えているけど、どんなことをPTAについて考えているのか、聞いてみよう、ということで、全保護者向けのアンケートを取ることにしました。当校PTAとして初めての取り組みです。

 

ところで、そもそもアンケートづくりのときに、考えなければいけないポイントは、何でしょうか。

 

アンケートは「検証の道具」になっている必要があります。つまり、漠然と質問を並べるのではなく、事前に「こういう課題があるのではないか」「こういう施策が有効なのではないか」といった「仮説」を立てておく必要があり、それがアンケートの結果によって「検証」されなければ、アンケートを取る意味が出てきません。

 

今回のPTAの改革において、これまで議論を重ね整理してきた課題と施策の仮説を、ここでごく簡単にまとめておきます。

 

【課題仮説】
1) 存在意義
・ これまでのPTAは、その存在意義について、みずから明確にすることをしていなかった。
・ 社会動向的に、保護者の多くが地域貢献に興味があるが、PTAはその受け皿になっていない。
2) 活動内容
・ 今のPTAの活動はほとんど前年踏襲で見直されていないため、保護者が不要だと思っている活動があるはず。
3) 運営体制
・ 誰もがPTAの役員や委員にはなりたがらない。その理由には、平日昼間の仕事との兼任が難しかったり、正副委員長にくじ引きで決まってしまうのが負担だったり、一度PTAの役員や委員をやった経験上その非効率さに辟易したから。
・ 役員や委員の役割や負担度合い、やってみることによるメリットが、保護者に伝わっていない。

 

【施策仮説】
1) 存在意義
・ 保護者は、子どもたちを取り巻く学校や地域の環境を良くすることに関わりたい。
・ PTAは、そのような保護者のために役立つ団体になりうる。
2) 活動内容
・ 保護者が必要性を感じていない活動は、積極的にやめる。(余力を作り、支持される活動や新たな取り組みに回す)
3) 運営体制
・ 役員や委員の活動内容や楽しさを詳細に説明することで理解が進み、なり手になる。
・ 自分の都合よい時間でボランティアに参加することには、保護者も前向き。委員の担当範囲を小さくして、基本的にボランティアを中心とした運営体制に変える。
・ メールやWebを活用してPTA活動の内容やボランティア情報を保護者に適時に提供すれば、保護者も集まりやすくなる。

 

これらの課題仮説・施策仮説を保護者も同じように支持してくれるか、ということを検証できるように、アンケートの設問を設定しました。ただ、今回はより保護者のナマの声を聞いてみたいと思いましたので、ハイ・イイエや①~④から選ぶ、という選択肢方式の設問はなるべく少なくし、自由記述してもらう設問を設定しました。その記述内容を集計・分類することで、課題仮説・施策仮説がどの程度支持されるかを評価することにしました。

 

また、アンケートに答えていただく前に保護者の皆さんのPTAへの理解度を合わせておく必要があります。そうでないと、設問の意味を取り違えてしまい、回答が的を得ないものになってしまう可能性があるからです。そこで、「そもそも、PTAとは」「私が考えるPTAの目指したい姿とは」「現在の運営体制」といった基本的な内容を、設問の前に記述しておきました。

 

実際に作成してみると、結構たいへんでした。理解度合わせの記述や、PTAの現在の体制図等の基本情報を入れながら、なるべく多くの設問を設定し、読みやすいようにフォントのサイズを小さすぎないようにし、さらに印刷・返却しやすいようにチラシ一枚にまとめようとすると、紙面の都合で設問を絞りこまなくてはならなくなりました。たたき台を作成して役員の皆さんで回覧し、表現も含めて見直し、確実に仮説を検証できるように自由記述設問を織り込みつつ本当に必要な設問だけを残した結果、最終的には、左半分が基本情報、右半分が回答用紙を兼ねたアンケート設問、真ん中に縦にキリトリ線、のA3一枚にまとまりました。

 

参考までに、設問の一部を抜粋します。

 

Q1-2:どのような形であれ、皆さんの子どもたちを取り巻く学校や地域の環境を良くすることに関わりたい、と思われますか。(1つだけ選択)
①とても思う ②まあ思う ③あまり思わない ④全く思わない

Q1-3:(Q1-2 で①②と回答した方へ)環境を良くすることに関わるにあたり、PTA は皆さんの役に立つ団体になれると思いますか。(1つだけ選択)
①とても思う ②まあ思う ③あまり思わない ④全く思わない

Q2-1:PTA の年間行事には以下の様なものがありますが、来年以降も継続的に実施したほうがよいと思われる活動はどれでしょうか。(3つまで選択・番号を記述欄に記入)

Q3-4:個々の活動に選択参加できるボランティアを今後やってみたいと思いますか。(1 つだけ選択)
①とても思う ②まあ思う ③あまり思わない ④全く思わない

Q3-5:(Q3-4 で③④と回答した方へ)その理由を教えて下さい。(自由記述)

Q3-6:活動により多くの皆さんが参加するようになるには、どうすればよいと思われますか。(自由記述)

 

保護者向けアンケートを作成しようというPTAは多いようですので、私なりにポイントをまとめておきます。
 

  • アンケートは検証ツール。事前に検証したい課題や施策の仮説を作ること。
  • 保護者が同じ理解のもと回答できるよう、理解度合わせの記述を用意すること。
  • 設問が多すぎて保護者がメゲないよう、自由記述も交え設問数を絞り込むこと。

 
完成したアンケートは、全世帯分、実に700枚以上を印刷し、配布しました。回答が楽しみな反面、ちゃんと集まるのか、耳に痛いことを書かれるのではないか、という不安もあります。さて、保護者の皆さんは、どのくらいこのアンケートに興味を持って、回答してきてくれるでしょうか?
 
 
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