昨年9月からスタートした『神奈川県×プロボノ』プロジェクト。自分はある障害者支援のNPOがやっている自然食品店のパンフレット制作プロジェクトの、プロジェクトマネージャーをやっておりました。
このNPOは『精神障害者就労支援の会』 さんで、この会がやっているのが横浜市西区の藤棚商店街というところにある『菜月』 という自然食品・無農薬野菜のお店。精神障害者の就労機会は一般的には閉じられた作業所で行っているのですが、商店でお客様との対面販売という形での実習と就労機会を提供する場を提供しようということでNPO代表の方が12年前にオープンしたのが菜月です。
9月～12月はマーケティングフェーズおよび制作プランフェーズでパンフレットのコンテンツの検討を進め、1月～3月は実際のコンテンツ制作を行なってきました。
3月初旬に無事、デザイン（Macのillustratorデータ）を印刷会社に送付し、3月10日に完成！3月12日に予定されていた講演会での配布に 間に合った！と思ってた矢先に、皆さんご存知の東日本大震災が起きて、講演会が中止になってしまい、パンフレットデビューの機会がおあずけになってしまい ました。
しかしながら、お世話になった菜月の皆さん・プロジェクトメンバーの皆さん・サービスグラントやかながわ県民サポートセンターの皆さんとの打ち上げはやろ うということで、昨日3月20日に横浜にて打ち上げ会をやりました。こんなご時世ですが、だからこそ日本経済を止めないためのささやかな貢献です。
宴会の席で、菜月さんから完成版のパンフレットを頂きました。実は私は原稿は見ていたものの、実際に印刷会社に依頼して印刷した実物は見ていませんでし た。だから初めて見たとき、「おぉ～」と声が出てしまい、自分たちがやってきた活動が形になって手元にあるということに感動してしまいました。
プロボノをやる前の菜月さんのパンフレットはB5サイズ・モノクロ両面印刷というものでしたが、
プロボノで作ったパンフレットはこうなりました。A3のクロス8頁折というらしいです。色々悩んだパンフの形は、お客様が大きな文字で読みやすいこと・カ バンに入れて持ち帰りやすいことや、別途A4のチラシを挟み込みやすいということを考えて、結局この形に落ち着きました。
で、開くと菜月さんの考え方（裏は就労支援の会の歩み）がコピーライターの練りこまれた文章でやさしいイラストと共に書かれていて・・・
さらに開くと菜月さんで提供している商品やサービスが一目で分かるようになっています。商品の仕入れ先になっている都筑ファームの方も特別出演。表紙のイ ラストのキャベツは、内面では菜月さんを中心とした西区周辺の配達範囲の地図になってて、デザイナーのデザインセンスの素晴らしさが表れています。
天と地ほどの差があります！「プロ集団で作ると、こうなる」という見本です。
菜月さんの代表の方からも、いろんなところで打合せをするときにこのパンフを見せて、プロボノでこういうのを作ったんだというお話・宣伝をしてくださって いるとのことです。世間ではプロボノが流行っているということもあり、話題作りには事欠かないそうです。また、菜月さんのファン層を広げる「実弾」ができ たことで、支援している方の士気も上がった？とのこと。パンフという現物ができたという事以外にも、見えない成果があったようです。
自分はコンサルティングのプロジェクトを数多くやってきましたが、通常は様々な調査や検討を重ねた結果をパワーポイントにまとめて報告するというのが一般 的。パンフレットのような「実物」をアウトプットとして世に出すことはほとんどないため、仕事では得られない経験と実感がありました。たかがパンフレッ ト、されどパンフレット。一枚50円、だけど自分には非常に高価なように思えます。一枚のパンフレットを作るために、プロジェクトメンバーの様々な意見と 行動がその裏に積み上げられていて、様々な苦労をくぐり抜けてきました。そういった眼に見えないものが、一枚のパンフレットにはさみこまれています。
自分が本当にプロボノを通じて社会貢献できたのか？は、今後の菜月さんの業績向上によって計られるものです。願わくば、このパンフレットが実弾となって、 より多くのお客様をつかまえ、菜月さんのファンになってもらい、菜月さんと就労支援の会の経営を上向かせ、精神障害者の方々により多くの就労機会を提供 し、社会貢献につながっていってもらいたい、強くそう思います。
横浜市西区および藤棚商店街近くにお住まいの方は、ぜひ、菜月さんにお越しください！！
おまけ：宴会では積極的に東北の日本酒を注文。8人で32,805円となりましたが、全員から総額35,505円集め、差額の2,700円をお店に備え付けられてた赤十字の募金箱に義援金として募金しました。皆さんチャリティー飲み会へのご協力ありがとうございました！
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