コンサルティングのプロジェクトにおいて、プロジェクトが成功するか失敗するかの最大の要因は、ステークホルダー・マネジメントにあります。組織とプロジェクトに関するすべてのステークホルダーから、プロジェクトの進行に影響力のあるステークホルダーを認識し、彼らのプロジェクトへの態度を確認しておかなければなりません。
彼らとはプロジェクトの期間中継続的にコミュニケーションをしておく必要があります。彼らのプロジェクトへの態度をポジティブにしておけば、困った場合でも支援の手を差し伸べてくれます。逆に態度がネガティブであれば、プロジェクトに対してあの手この手で妨害策を実施し、プロジェクト活動を邪魔したりつぶしにかかったりします。(実際、過去にネガティブなステークホルダーから、プロジェクト・オーナーに直接クレームを入れられたことがありました。その際はプロジェクト・オーナーが一喝して、事無きを得たのですが・・・。)
PTAにおける最大のステークホルダーとは誰か?それはやはり、校長先生でしょう。校長先生は、学校における最高責任者。PTAにおいては顧問的位置づけであり運営には直接からみませんが、PTAの運営や活動は校長先生の意思決定により左右されることが多いようです。
これまでの検討(過去の投稿、想定課題の仮説と検証、ビジョンとミッション、施策方向性の仮説、を参照のこと)を踏まえて、「PTAのありかた(討議用資料)」をPowerpointにとりまとめ、おそらく学校が暇であろうゴールデン・ウィークのさなかの平日に学校に出向き、校長先生を訪問しました。
校長先生とは、おやじの会の活動で知り合い、酒を酌み交わしたこともありましたので、その人柄を知っており、おやじの会についても好意的に受け止めてくださっていましたので、今回の提案をすることについては特に大きな不安はありませんでした。しかし、学校側から見てPTAというのはどういう意味がある組織なのか、どこまで関与をしたいと思っているのか、ということについては未知数でした。
討議用資料を用いて、こちらの考え方や改革の進め方をひと通り説明しました。
結果的に、校長先生はこちらの提案に基本的に合意してくれました。
しかしやはり懸念を示したのは「入退会自由」という点であり、単に自由だと言うよりも、「みんなで協力して活動する」という意思を踏まえて同意し参加してもらう方向にもっていくべきだという指摘をもらいました。
また、年度初めのクラス委員の決定に負荷があり、実際にクラスの親に電話をさせている先生の立場からしても、この状況を回避したいのは同感だとのこと。校長先生が以前より対案として持っている「前年度終わりに決めてしまう」方法で、教職員会議等で発信していこうと約束してくれました。委員決定について、学校側から提案や協力が得られたのはとても大きい収穫で、具体的な解決策を早期に示せるということでも、PTA役員・委員の改革への巻き込みを進められる意味でプラスです。
全体的に了承を得られ、良い方向に進めていこうと合意できました。おやじの会で交流があり、保護者の活動に理解のある校長先生のおかげで、改革が加速できそうだという手応えが得られました。
組織のトップの校長先生と握ることができれば、スムーズに改革が進められるようになります。次はPTA改革の方向性を、組織の中へ展開していく段階です。
しかし、教頭先生や教務主任、役員や委員のお母さん方が、このような改革を支持してくれるのだろうか? - これはもうコミュニケーションしていくしかありません。いよいよ、現場への改革の落とし込み、です!